タラソテラピーとは? ① 優れたリラックス効果と温浴効果
タラソテラピーとは直訳すれば「海洋療法」と表現され、海水や海藻・海泥などを利用した、美容・健康法です。古代ギリシャではすでに、海水などに含まれるトレースエレメント(微量元素)に着目されていたようです。かの有名なヒポクラテス先生は、皮膚病の治療にヒ素を使っていました。ヒ素と聞けば敬遠される方が多いかもしれません。確かに多量に摂取すると身体の老化や死を招きますが、微量であれば健康に寄与する人体に必要な必須ミネラルで、海水にもたっぷり含まれています。
日本で確認できるタラソテラピーの歴史も古く、鎌倉時代の随筆家である鴨長明にまで遡ります。(ご興味がございましたら、弊社サイト「タラソテラピーとは」をご覧下さい。)タラソテラピーには、海水を温めて入浴するバルネオテラピーや、海藻の力を借りた「アルゴテラピー」、泥を使用した「ファンゴラテラピー」など、いろいろな分野があります。今回はタラソテラピーの代表格である、タラソテラピー入浴(バルネオテラピー)についてご紹介します。
バルネオテラピーとは一種の温泉療法で、フィルターを通して採取した清浄な海水を体温程度に温めて、入浴または運動するわけです。下記はフランスのタラソテラピー研究で有名なCEVA(海藻工業研究所)より入手した、リポートの一節です。
In 1899, Dr Louis Bagot confirmed the benefits of thalassotherapy by using it successfully in the treatment of arthritis and rheumatism, founding the first French thalassotherapy centre at Roscoff.
(和訳)1899年にルイ・バゴー医師が関節症とリウマチにおけるタラソテラピーの利点を確立して、ロスコフにフランス第一号のタラソテラピーセンターを開設した。
鴨長明師が古代日本のタラソテラピーの大御所とすれば、ルイ・バゴー先生は近代タラソテラピーの父とも言えましょう。ルイ・バゴー先生のこの偉業以降は様々な学者さんが後に続き、フランス・ブルターニュがタラソテラピーの聖地と発展していったわけです。
このタラソテラピー入浴であるバルネオテラピーには、二大効果がよく知られています。リラックス効果とスキンケア効果です。
「リラックス」という言葉はとても軽く聞こえますが、生命維持においては大変重要です。人間を含む動物は、イザとうときには「ストレス」がかかり、狩りや仕事などを正確にこなそうとします。しかしストレス状態(緊張状態)が長く続くと、身体を害してしまいます。この危機的状態から身体を解放するのが、リラックスです。
危機的状態とはたとえば、身体がガン細胞を育む状態にしてしまうことです。身体内では毎日いくつものガン細胞が、生まれては死んでいくことが知られています。ストレスがかかった状態になってしまうと、血流や免疫の働きが低下し、ガン細胞を野放しにしてしまうそうです。これは極端な例ですが、関西のお笑いを堪能されたガン患者さんのガン細胞が、消えてなくなってしまったとう例もあるそうです。(念のためですが、ガンの患者さんは何事も、お医者様とご相談下さい。)
ガンほどではないですが、私も一度だけ過度のストレスで病気をしたことがあります。「ストレスが原因です!」とお医者さんから言われた時、初めて私はストレスの恐さを思い知りました。今はストレスをコントロールする術を身に付けたので、また健康優良児に戻りましたが・・・。このストレス解放に大きく寄与できるのが、タラソテラピー入浴であるバルネオテラピーです。
妊婦さんがおなかの中の赤ちゃんに、音楽を聞かせて上げることをよく耳にします。昨今の震災で、じつに多くの同胞を失いました。ぜひ多くの元気な赤ちゃんが誕生してほしいものです。妊婦さんもリラックスすることが健康な赤ちゃんの誕生につながることはほぼ間違いのないようですが、胎内の赤ちゃんはもともとリラックスしていると言われています。
太古の昔に動物が陸上に上がった時に、海を体内に閉じ込めたと言われています。血液のミネラルバランスは、その頃の海水のミネラルバランスに近いとされています。今の海水よりも、ナトリウム量が少なくカリウム量が多かったようです。赤ちゃんが浸かっている羊水は、ミナラルバランスにおいては、太古の海水と同じと言われています。ですからタラソテラピー入浴とは、おなかの中の赤ちゃんと同じ気持になることとも言えるでしょう。もっとも私はその頃のことを覚えてはいませんが・・・。
リラックスするメカニズムですが、ミネラルが肌に吸着・浸透し、血管内に浸透していく際に起こります。身体に有益なミネラルをせっせと運ぼうとするために、血管が拡張して、血液がドクドクと大量に流れる状態になるわけです。前出のCEVAによれば、ミネラルの吸着・浸透は、浴槽水が体温程度のときにMAXに達するそうです。この状態はまさに「副交感神経モード」で、これを一般的に「リラックス」と呼んでいるわけです。
最近わかってきたことを考え併せると、浴槽の温度が「体温程度」と「43℃あたり」で、恍惚感が得られるようです。ただし43度は身体がリラックスすることによるものではなく、麻痺することによるものだそうです。浴槽での溺死事故も多発しているようなので、要注意です。
CEVAによれば、このリラックス効果がおおいに役立つ分野として、禁煙(アンチ・タバコ)があります。2010年秋のタバコの値上げで、ますます禁煙ブームは進んではいますが、途中で挫折される方も多いようで・・・。タラソテラピーは、①リラックス効果によいりタバコを熱望する疼きを抑制する、②血流アップによるデトックス効果増強により残存ニコチンの分解を早める、という働きにより、禁煙には有効のようです。禁煙を挫折された方は、一つのご参考とされて下さい。
ストレス社会である現代では、原因がはっきりわからない疾病が蔓延しつつあります。しかしうつ病や認知症やリウマチなどの病気の発症に、過度なストレスが深く関与していることが示唆されつつあります。タラソテラピー入浴に限らず、いろいろな方法で、ストレスのロックオン状態になっている身体を、解放することが急務だと思います。シャワーだけで済まされている方は、タラソテラピー入浴でなくとも少しぬるめのお湯で入浴する、これだけでも抗ストレス効果があるのではないでしょうか。
(以降、タラソテラピーとは 洋療法とは②(編集中)に続く)
弊社がタラソ製品の研究依頼をしている、フランス・ブルターニュのCEVA。タラソテラピーの権威のある研究機関で、とくに海藻を利用したタラソでは世界一。私が訪問した時に撮影した、エントランスの写真です。背面は海でしたが、打合せを終えて出てきたときには、海がなくなっていました・・・。
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