諫早湾干拓事業による有明海の環境破壊の可能性
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日本の太平洋沿岸で2m、瀬戸内海中央部沿岸で3~4m、日本海沿岸で30cm、そして有明海沿岸では5~6m。これは潮位差の数値です。潮位差とは、満潮時の水面の高さである「満潮線」と、干潮時の水面の高さである「干潮線」の、高さのの差です。
満潮線より上は「潮上帯」と呼ばれ、この一般的な呼称は「陸上」となります。いっぽう観潮線より下は「潮下帯」と呼ばれ、これはいつも海水に浸かっている部分を指します。そして満潮線と干潮線の間は、「潮間帯」もしくは「中潮帯」と呼ばれていて、これに相当する部分を「干潟」と呼びます。この干潟が今回の記事の、悲劇のヒロインです。
この潮間帯の高さの幅(潮位差)が大きいほど、干拓地候補になりやすくなります。干拓の手法として先ず水門付きの堤防を作り、干潟を海から隔ててしまいます。その後は干潮時に水門を開門して海水を外海に放出し、それ以外は閉門します。諫早湾に何枚ものプレートが海に打ち込まれた工程が、この堤防造りに相当します。
潮下帯に相当する海の面積に比べれば、干潟の面積はごく限られています。非常に希有なエリアで、生物の宝庫でもあります。同じ潮間帯の範囲でも、「潮間帯上部」「潮間帯中部」「潮間下部」等と細分化されていて、それぞれに生息する生物が違ってきます。
私は魚介類のことは正直、あまりわかりません。弊社が関与する海藻の例でいえば、板海苔になる「アマノリ」は潮間帯上部付近、刺身のツマに使用される「オゴノリ」は、潮間帯下部付近となります。ここはアルガアイ流の表現で、ご容赦下さい。
垂直で切り立った堤防で陸地と海とを隔ててしまうということは、干潟が「ゼロ」になることを意味します。干潟には、干潟にしか住めない生物がいます。しかも各生物は、干潟で決められた範囲で生息しているわけです。ですから干拓は、干潟を根こそぎ破壊します。潮間帯上部もヘッタクレもありません。これは当然ながら、有明海全体の生態系の破壊につながります。
弊社はフランス・ブルターニュから海藻パック等の原料を仕入れていますが、現在のブルターニュでは安易な干拓は許されていません。ブルターニュ周辺では逆に、過去の干拓を反省し、逆に現状回復工事まで行われているぐらいです。ですからブルターニュの海の豊かさは健在で、海の恵みも半端ではありません。
アルガアイ流に言わせていただければ、今回強行された諌早湾干拓事業は、いまや世界の潮流である「環境保全」に逆行した事業以外の、何ものでもないでしょう。ただでさえ、休耕田や耕作放棄地がたくさんある、すなわち農地が余っている状況下で、この干拓事業が行われたわけですから・・・。
過去のタラソテラピー入浴料の記事でも書きましたが、タラソテラピーは満ち潮の海水で行うのが基本です。よどんだ海水はすでに栄養が生物に使用されてしまっていたり、汚染度が高くなっているからです。あれだけ広い面積の干潟を失うということは、有明海への新鮮な海水の流入を、著しく阻害することになります。人体にたとえて表現するなら、心臓の中にピンポン玉を入れるようなものです。ポンプである心臓のキャパがピンポン玉分落ちると、まともに生命維持はできないでしょう。
またこれも過去の記事に書いたことですが、海の豊かさは決定する要因として、河川の水に含まれる栄養があります。外界の海水と河川の水がミックスされて、初めて有明湾特有の、豊かな海水となるわけです。河川の流れを変えてしまうことは、海の豊かさを著しく毀損することにもつながり得ます。
今回の9キロ平米の諫早湾干拓事業を含めて、これまで280キロ平米が陸化されました。これはじつに、有明海の15%に達します。アルガアイ流の単純計算では、今回の諫早湾干拓事業で3千万トン、これまでの干拓分合計で、8億トンの新鮮な海水の流入が減少したことになります。(干拓面積X 潮位差 ÷ 2)
「海苔の色落ちは、干拓とは因果関係が証明されない。」といった議論が以前ありましたが、逆に因果関係がないことを証明する方がむずかしいでしょう。ただし海苔の生産効率化のための、酸処理はそろそろ見直されるべきことと思います。閉ざされた遠浅の海域での大量の酸投入は、大きな環境破壊を起こし得ます。
できるものなら早急に現状回復してほしいと願うのですが、一旦壊されてしまった環境をもとに戻すのは、たいへんなことでしょう。また既に入植されている農家さんの立場を、一方的にないがしろにするべきでもないでしょう。漁業従事者・農業従事者ともに、国による被害者だからです。有明海の環境とともに何とか救済されないものかと、願うばかりです。
日本は今回の原発事故で、放射能による環境破壊を行ってしまいました。これ以上の環境破壊は、もうこりごりです。もっと祖国を、大切にすべきだと思います。今後は諫早湾干拓事業のような、多くの国民が不幸に追いやり、また国民同士を対立させるような事業は、もうあってはならないと思います。
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