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2012年4月13日 (金)

ヨード摂取量から考える 発ガンするほどの海藻の食べ過ぎとは? 

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「毎日海藻を食すると発ガン」に関するまとめの記事はコチラです → 総括記事 

 

「ワカメやコンブなどの海藻をほぼ毎日食べる人の発症率は、週に2回以下しか食べない人に比べ1.71倍になっていたということです。このリスクは閉経後の女性に限るとさらに高まり、3.81倍に上っていました。」という昨日記事に関してですが・・・。

 

これではまるで、閉経後の女性がワカメが入ったお味噌汁を毎朝食することが、甲状腺ガンのリスクを高めるということになります。純和風の食事を心がけている方にとっては、天地がひっくり返るような研究発表です。

 

国家機関が非化学的な研究調査でもってみずからの食文化を否定するのは、日本国民の一人としては悲しい限りです。もう少しこの祖国を、日本固有の民族的文化を愛せないものでしょうか・・・。非科学的と断じたのは、昨日の記事の記事にも書きましたが、ワカメもコンブも同列に扱ってしまっている点です。

 

今回報じられた研究発表により、少なからずの方が当惑されています。、弊社公式サイトやブログのアクセスログを解析すると、ワカメのヨード含有量にさえ心配されている方が少なくないのです。「今まで毎日お味噌汁にワカメを入れていたが、今後はワカメを入れるのは週2回にしよう。」といった感じでしょうか・・・。

 

そういうわけで昨日の記事に引き続き、重ねて主張させていただきたいと思います。

 

とにかく当惑されている方々は、どんな量が「海藻の食べすぎ」に相当するかを、お知りになりたいようです。あのような不安をあおることを書いた後に「海藻を食べすぎずバランスよく・・・」とほっぽり出されてしまっては、不安にかられてしまいます。

 

端的に申し上げます。コンブ以外の海藻は、ヨード摂取過剰に至る前に、おなかがパンパンになります。言いかえれば、コンブ以外の海藻では、それほど神経をとがらせる必要はありません。(ただし本土で食されていても日本の南洋で採取した一部の食用紅藻類には、女性に限って死亡事故の危険性あり。)

 

一方昆布については、要注意です。とくに昆布ダシとして食する場合や、根昆布水の場合は、とくに注意が必要です。伝統的なぽ味噌汁のダシの取り方では、1人前あたり4グラムです。しかしヨードの上限摂取量の2,2mg/日にとどめる場合は、1日当たり0.5グラムが限界でしょう。

 

(但し私個人的には、日本人であれば10mg程度のヨードは問題ないとの学説を支持し、昆布は2グラム以上食します。そのかわりヨードを無毒化させる豆類も、たくさん食します。)

 

昆布のヨード含有量については、日本では乾燥体グラム当たり1.31mgとされていますが、これは非常に偏った数値です。別の記事のとおり乾燥体換算で、グラムあたり5mgです。

 

ワカメ乾燥体のヨード含有量は昆布の1/10で、1グラムあたり0.5mgです。4グラムのワカメ乾燥体を食して、やっと上限摂取量近くに達します。すなわち食べ過ぎとは、ここでの計算であれば、ワカメなら1日あたり乾燥体で5「グラム以上となります。

 

お味噌汁に入れるワカメは乾燥体に換算して、せいぜい0.5グラム程度です。1グラムも入れれば、ワカメだらけになってしまいます。ましてや現在日本で実質的に流通しているワカメは、ほとんどが「カットワカメ」です。カットワカメとは、湯通しして塩につけられるため、素干しワカメよりもさらにヨード含有量は低くなっています。

 

ですからワカメだらけのお味噌汁は毎日食しても、何ら危険性はありません。ただし昆布ダシを使用する場合は、昆布由来のヨードも計算する必要があります。そしてもう一点、別記事にも書きましたが、呼吸困難になるワカメには、ご注意下さい。

 

次は、応用編です。

 

ワカメを練り込んだ「ワカメうどん」という特産品があります。まず問題ありません。ヨード過剰摂取になる前に、おなかがパンクしてしまいます。今回の研究発表が風評被害にならないようにと、祈るばかりです。

 

昆布を練り込んだ「昆布うどん」なるものが、過去に北海道で広く食されたことがあります。これはリスキーな食品でした。ヨード過剰による甲状腺疾病を、多発させました。おなかがパンクする前に、ヨードの過剰摂取をしてしまったわけです。

 

以上のように、コンブを食する量に気をつければ、食用海藻にはそれほど神経をとがらせる必要はありません。また何よりも、ヨード摂取を過剰に恐れて食事をしていたら、楽しくありません。ヨード摂取を恐れるあまりストレスによってガンが発生してしまっては、それこそ本末転倒です。

 

ぜひ海藻についての正しい知識を身につけ、間違った情報に惑わされることなく、世界からも優れた健康食品と評される和食をだいじに守り、おいしく食していきたものです。

 

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