「海藻毎日食べる女性に甲状腺ガン研究発表」事件から1年・・・
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「海藻摂取不足と流産/死産や風疹大流行との因果関係」に関する記事を、あらたにアップいたしました。
(以下本文)
2012年4月11日に発生した「海藻毎日食べる女性に発がんリスク研究発表」事件から、今日でちょうど1年が経過しました。国立環境研究所という国家機関が、国立がん研究センター等の追跡調査に基づいて、「ワカメやコンブなどの海藻をほぼ毎日食べる40代以上の女性は、あまり食べない女性に比べて、甲状腺がんの一種になるリスクが高まる」と発表したのです。誤った根拠に基づいて我が国みずからの伝統的な民族文化(食文化)を否定するという、前代未聞の悲しい出来事でありました。
事件発生後に正しい情報等により、この間違った情報はやがては淘汰されるものと思っておりました。しかし弊社の公式サイトやブログに既述した記事へのアクセス数は、いっこうに落ち着く気配がなく、むしろ今年になってアクセス数が上がっています。下記は、検索パターンの一例です。
わかめの食べすぎ and 危険
わかめ and 良くない and 閉経後
わかめ and 毎日 and 発ガン
カットワカメ and ヨード含有量
もずく and 毎朝 and 甲状腺ガン and 危険
メカブ and 甲状腺ガン
昆布 and 食べすぎ and 危険
最後の「昆布 and 食べすぎ and 危険」は、事実でしょう。しかしその他はすべて、過剰ともいえるような海藻に対する恐れがあります。ワカメを食べすぎて甲状腺ガンになる可能性と、歩道を歩いていて車にはねられる可能性を比較すれば、歩道上で車にはねられる可能性のほうが高いのではないでしょうか。明らかに、風評被害が続いています。
日本人のヨード摂取量は、平均的には足りています。しかし海藻は、食しない方(家族)は徹底的に食しない傾向があります。従いまして少なからずの専門家の方々が指摘するように、ヨードが足りていない方(家族)もいらっしゃるわけです。とくに豆腐等の大豆製品を食する方が海藻を摂取しなければ、ヨード不足のリスクが高まります。
ヨード摂取不足の場合は、ご存知のように放射性ヨウ素に被曝しやすくなる他、肥満症や各種生活習慣病のリスクが高まります。また体力が低下するために、当然ながら伝染病に対する抵抗も落ちるでしょう。妊婦さんの場合は流産や死産のリスクが高まるという、取り返しのつかないことにもつながります。またヨウ素不足は逆に、甲状腺ガンのリスクが高まります。
昨年の事件発生後にいくつかの記事を書いて、この研究発表を否定してまいりました。今回の記事では、これらの記事を整理しながら、この研究発表がいかにナンセンスであるかを、再確認したいと思います。
「『海藻毎日食べる女性に発がんリスク』に異議あり!」と題した記事で、コンブとワカメを同列に扱ってしまっている点から、この研究発表が適切でないことを書きました。別の記事「昆布のヨード含有量はワカメの10倍以上の5mg/g」では、厚生労働省が採用しているコンブのヨード含有量1.31mg/gは、大きく偏っている(間違っている)とも記述しました。正しくはコンブのヨード含有量は、ワカメの10倍以上の5mg/gです。1.31mg/gなどという数値は、フランス等EU諸国では絶対に通用する数値ではないほどの、ひどく偏った数値なのです。
正しい数値は、滋賀県立大学さんのホームページに掲載されています。同ホームページによれば、コンブのヨード含有量は平均で5mg/gです。別記事にも書きましたが、フランスのラミナリア・ディギタータ(Laminalia Digitata)という真昆布の近似種は、だいたい5mg/g前後です。私が持っている資料では、最高は8mg/gです。ほぼ整合性がとれていているでしょう。
以上のことから、この研究研究発表をするのであれば、「閉経後の女性は昆布の食べすぎに注意。甲状腺ガンのリスク大!」などとすべきであったわけです。
「ヨード摂取量から考える 発ガンするほどの海藻の食べ過ぎとは?」と題した記事に記述しましたが、ワカメでヨードの過剰摂取にいたるまでには、おなかがパンクしてしまうでしょう。「わかめ and 食べすぎ and 危険」といった心配は、まずありません。わかめがたっぷり入ったお味噌汁を毎日食するほうが、むしろ健康的といえるでしょう。
また「もずく and 毎朝 and 甲状腺ガン and 危険」も、まったく心配のないレベルのことです。毎朝もずくを食されていた方は、ぜひ事件発生前の食生活を取り戻し、健康体に戻りましょう。脳梗塞のリハビリとして、毎日モズクを給食に含めている病院もあるぐらいです。
なお、厚生労働省がコンブのヨード含有量にこのような低い数値をいまだに採用しているかについては、推測にならざるを得ませんが、「国が今「海藻摂取」にできるだけ触れたくないワケ」と題した記事に、WHOによる日本に対する圧力について書きました。もし5mg/gという数値を採用してしまえば、WHOから「ヨードの過剰摂取だ!」とバッシングを受ける可能性が高いわけです。
ちなみに、このWHOの主張する適正なヨード摂取量は、根拠の乏しいものなのです。「海藻由来のヨードと大豆の毒性を抑える和食の知恵」と題する記事に書きましたが、豆類を食することによりヨードは消費(無毒化)されてしまいます。日本人は欧米人に比べて、圧倒的に豆類を食します。そういうわけで、日本に対するヨード過剰摂取バッシングは、いわば欧米の価値観の押し付けであるといえるでしょう。
ここで、ヨード摂取に関する情報を収集されている方へのご提案です。コンブのヨード含有量を1.31mg/g(100gあたり131000μg)と前提にしている情報や記事は、参考にされないほうが無難でしょう。根底の数値が狂っていれば、その情報全体が正しくない可能性があるからです。
さて、この研究発表の内容が明らかになるにつれて、もう一つの致命的なミスが見つかりました。「『海藻毎日食べて発がん』の研究はやはり無理があったようです・・」の記事に書きましたが、追跡調査では「煮干し・いりこダシを使用した味噌汁」の摂取頻度は調査されていますが、肝心の「昆布ダシを使用した味噌汁」については、一切調査がなされていませんでした。肝心と申し上げたのは、ヨードの過剰摂取がイチバン懸念されるのが、昆布ダシだからです。
既述のコンブとワカメを同列に扱っている点も考慮すれば、これはもはや研究発表といえるレベルではありません。失礼ながらではありますが、信ずるには値しない研究発表であると断じます。
栄養摂取等に関する情報を国民に伝える役割は、(独)国立健康・栄養研究所という専門の国家機関があります。もし同研究所が調査するのであれば、昆布だし摂取は見逃さなかったでしょう。それを当時仕分け対象となっていた(独)国立環境研究所と国立がん研究センターという、栄養摂取には不慣れな国家機関が行ったわけです。
そういうわけで、なぜ(独)国立環境研究所があのタイミングで、このような研究発表が行ったということに、少なからずの方が大きな疑念をもたれているようです。無理にでも研究発表しなければ存在価値が薄くなり、組織全体が仕分けされてしまうから・・・、ヨードの毒性を強調することにより、原発事故発生時に安定ヨウ素剤を配布しなかったことを肯定化するためだとか・・・。あくまでも推測の域は出ませんが・・・。
なお「昆布 and 食べすぎ and 危険」は間違いではないと書きましたが、必ずしも危険であるわけではありません。「根昆布水はほどほどに②」の記事に書きましたが、ヨードの沸点は184℃と低いのです。同じ必須ミネラルである鉄の沸点は、2860℃です。沖縄料理のように昆布を高温で炒めてしまえば、昆布に含有されるヨードが蒸発してしまうことが考えられます。健康食品である昆布からヨードを抜いて、多めに食する・・・。この調理法がまさに、かつての長寿王国を支えていたかもしれません。
いっぽう、根昆布水は日本の伝統的料理でないために、過剰摂取は即ヨードの過剰摂取につながります。ヨードを無毒化する豆類を加えるわけでもなく、加熱もしないからです。
食用海藻からはそれますが、やはり「海藻パック and ヨード過剰摂取」といったアクセスも、しばしばございました。「海藻パック/タラソパック/タラソマスクのヨード含有量について」と題した記事に記述したように、ヨードの経皮摂取による健康被害が出たという報告例は、海外でも見当たりません。(ただし弊社では安全をみて、ラミナリア・ディギタータ等の昆布は、海藻パックに使用しないようにしています。)少々横道にそれましたが・・・。
以上のように、「海藻毎日食べる女性に発がんリスク」の研究発表は、結果的には日本の民族文化の破壊/転覆として働き、多くの国民を混乱に導きました。また関連する食用海藻産業に風評被害を与え、長寿国日本の食生活の基盤にダメージを与えました。
かつては世界第1位の長寿地域であった沖縄は、米軍によってもたらされたジャンクフードを含む西洋の食文化を受け入れて、伝統食文化が軽視されてしまいました。その結果生活習慣病がまん延しはじめて短命化が進み、何十年か後には平均寿命が国内最下位になりかねない状況です。伝統文化の破壊とは、これほど恐ろしい結果を招くのです。
沖縄の郷土料理を含む日本料理は、食経験に基づき科学的に成立した、高度な民族的伝統文化です。間違った情報やデマに惑わされることなく、日本のご先祖様の知恵の凝縮である安全でありがたい日本の伝統食文化を大事にして、健康でありたいものです。
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