古い角質を落とすゴマージュとは? スクラブとは? ピーリングとは?
スクラブとは英語表記で、“Scrub”となります。「ごしごし洗って汚れを落とす。」という意味です。汚れを落とす効率を上げるために、植物の種や種皮・殻などを粉砕した粉末が、スクラブ剤の主剤として使われていました。今ではサンゴ末(珊瑚パウダー)も、よく使われるようです。またアルミナ(セラミック)粉末も効率が上がるために、最近では積極的に使用されるようです。
このスクラブを使用して、古い角質を落とす行為が、「ピーリング」or「ゴマージュ」とよばれています。ピーリングは英語圏、ゴマージュはフランス語圏の表現となります。スクラブ剤を用いでお肌をこすれば、古い角質が落ちて、お肌が1トーンもしくは2トーン明るくなるわけです。種などの粉砕物の角がとがっていて、これをコロコロお肌の上を転がるうちに、古い角質が削れ落ちるというのが、このメカニズムです。
ただ、上手にスクラブ剤が使用されればよろしいのですが、実際のところそうもいかないようです。ピーリングで必要な角質までも削り落し、お肌が腫れ上がることなども・・・。効率を上げたいためか、比較的鋭利なエッジをもつスクラブ剤である、サンゴ末やアルミナなどが多用されることが、肌トラブルに拍車をかけているかもしれません。
アルミナとはセラミックの一種で、粉砕された粉末の場合は、鋭利な刃先を得ることができます。この刃をもった粉末を焼き固めたものを円盤状にしたものは、金属加工で使用される「砥石」となります。鋭利な角をもったひとつ一つのアルミナの粒が、金属を削っていくわけです。ですから本来は、アルミナなどの硬い物質でできたスクラブ剤は、注意して使用されるべきものなのです。
金属加工においてはアルミナは焼き固められずに、遊離砥粒として粉末のまま使用されることもあります。いわゆる「鏡面加工」などにおいては手作業で、数千メッシュ(10μ以下、μとは1/1000mm)の研磨剤が、加工油と一緒に布などに塗布され使用されます。鏡面とは、磨いているご本人の顔がキレイに映るほどの、鏡のような面です。指先の微妙な動きなどの、熟練を要します。また削れ具合を観察しながら作業しないと、表面にキズが入ってしまい、台無しになってしまいます。少々横道にそれましたが・・・。
一般的にお顔やデコルテ部などの皮膚の薄い箇所は100~150μの粒径のスクラブ剤、その他の足などの部位は250μの粒径のスクラブ剤が、遊離砥粒として使用されるようです。お顔に余り大きな粒を使用しない理由は、深いキズを与えてしまう危険性があるからです。ところが、いくら細かい粒子であっても、何度も何度も同じ箇所をゴシゴシすることによって、深いキズをつけてお肌を台無しにしてしまうことがあります。これが結局は、お顔のヒリヒリや炎症につながるわけです。
毛穴の汚れを一生懸命落とそうとして何度もゴシゴシしていたら、炎症を起こしてしまったようなご経験は?
必要な角質までも削り落した結果、保湿力が低下して余計に毛穴が開いてしまったなどのご経験は?
私自身は美容用途においての、スクラブ剤を否定するわけではありません。本来の使い方として、かるく顔をさすりながら一皮剥いてトーンアップさせる程度であれば、お肌が弱い方でなければ問題ないと思います。しかし毛穴内部の汚れを狙い撃ちするような使い方は、やはりそれなりの熟練を要するものと思われます。
以上は物理的な手段によるものですが、化学的に行うピーリングもあるようです。それはフルーツ酸などと称した薬剤を使用してのケミカルピーリングと呼ばれるものです。端的に申し上げれば、薬剤で皮膚を溶かす方法です。これは迷うことなく、避けた方が無難のようです。国民生活センターさんに、多くの苦情が寄せられているとうかがいます。シミが多発したりと被害は甚大のようですので、どうかお気をつけ下さい。
そして「ナチュラルピーリング」という概念があります。それに使用される代表的なグッズは、「石鹸」です。アルカリにはたんぱく質を溶かす働きがあります。強アルカリであれば必要な皮膚までも侵しますが、弱アルカリのセッケンであれば、古い角質(垢)を落とすのがせいぜいでしょう。安全なピーリング剤ともいえましょう。ただし完全に取り切ることは少々難しいようです。
今ひとつの方法は、アルカリ性化粧水による古い角質層除去です。カカトのピーリング剤といったグッズも販売されていますが、それは酸性でエタノールなども含まれていて、使用者によっては少々刺激もあるようです。踵は角質層が厚く、少々の刺激でも大丈夫といった具合でしょうか・・・。しかし角質層への浸透力さえあれば、たとえ微弱アルカリ化粧水であっても、カカトのようなゴワゴワした古い角質層も、キレイに除去できるようです。
以上が首記に関するご説明です。皆さまのお肌の状況に合わせて、安全で無理のない、ピーリング/ゴマージュ方法を探されてみて下さい。
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