手作り化粧水 濃グリセリンは高保湿効果があるから高価?
手作り化粧水に関する前回の記事では、グリセリンとBG(1,3-ブチレングリコール)の、使用感の違いや安全性について、比較をしました。今回はグリセリンの一種の、濃グリセリンの実情について、書きたいと思います。
濃グリセリンとは、濃度が高いグリセリンです。ドラッグストアさんで販売されている日本薬局方の通常のグリセリンの濃度は、84.0~87.0%ですが、手作りコスメ専門店さんで販売されている化粧品用の濃グリセリンの濃度は95,0%以上と、濃度が高く設定されています。
インターネット上では濃グリセリンは、「濃縮されて純度が高いグリセリン」「純度が高く保湿効果が高いグリセリン」などと、よく宣伝されています。ドラッグストアさんで通常のグリセリンが100MLでは400円~500円程度、500MLでは1000円程度で販売されています。いっぽう濃グリセリンの場合は、手作り化粧品専門店さんなどで小瓶に小分けされた濃グリセリンが、100MLあたり1000円~2000円といった、高価で販売されています。(価格の差は、倍~数倍程度)
保湿効果が高い高機能材料なので高価なのは当然?
いえいえ、そのようなことは、絶対ありません!
その宣伝文句には、ウソがあります!!
濃グリセリンと通常のグリセリンの保湿効果の程度はまったく同じであり、なんらかわることはありません。なぜなら濃グリセリンであっても、化粧水の手作りの工程で、結局は水で希釈されてしまうからです。また濃グリセリンは、手間をかけて濃度が高められた、付加価値の高い化粧品原料でもありません。
また、グリセリンの工場ではまず濃グリセリンが出来上がり、その後に精製水を少量加えて、通常のグリセリンが出来上がるのが実情です。精製水で希釈する理由は、濃グリセリンのままでは粘度が高く、消費者の皆さんが使い辛くなるからです。実際にスポイトで吸入してみれば、濃グリセリンは吸入しにくく垂れ落ちにくいことが、おわかりになると思います。
たしかに濃度の点で、濃グリセリンのほうが15%程度高くなってもしかたないでしょうが、通常のグリセリンの場合には、精製水で希釈するという手間がかかっています。以上のことから・・・。
濃グリセリンが通常のグリセリンよりも、著しく高価になる理由はありません!
濃グリセリンの販売者に騙されて、高く買わされている可能性があります!!
なお濃グリセリンから通常のグリセリンに切り替える場合は、当然ながら配合量を調節する必要があります。レシピで濃グリセリンの配合量が記載されている場合は、単純計算でグリセリンのご使用量を、約15%増量して下さい。それだけで簡単に、安価な通常のグリセリンに切り替えることができます。 弊社の手作り化粧水用材料の「アクア・ダルモール77ミネラル」のお薦めレシピでは、濃グリセリンを通常のグリセリンに切り替える場合の配合量を、併記しております。
次回の手作り化粧水に関する記事では、他の人気の保湿成分であるヒアルロン酸について、書きたいと思います。
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