レチノールクリーム レチノールとβカロテンとビタミンA ①
最近レチノールクリームが、また流行り出しているようです。このレチノールとは平たくいえば、ビタミンAのことです。動物性食品であれば、ビタミンAは鶏レバーや豚レバーに、驚異的に含まれています。また鶏卵を2個摂取することで、1日あたりの所要量の1/4を、まかなうことも可能です。
植物性食品であれば青物やニンジンなどに、βカロテンなどとして多く含まれています。これらは経口摂取された後は体内で必要に応じて、ビタミンAに変換されることから、プロビタミンAまたはビタミンA前駆体とよばれています。体内ではビタミンA予備軍として、蓄積されるわけです。
偏食や不摂生でこのビタミンAの摂取を怠ると、乾燥肌や荒れ性を引き起こしたり、顔にシミやシワ(しわ/皺)できやすくなり、いわゆる老け顔になりやすくなります。また皮脂腺が詰まりやすくなることも、古くより知られています。これを逆からいえば、しっかりビタミンAを摂取すれば、たとえばシワの改善も期待できるということです。
そのビタミンAをお肌に直接塗りこんで経皮摂取させてシワを改善しようというのが、レチノールクリームというわけです。首のシワへの改善効果を新発見したといった宣伝も見かけますが、そのようなことは古来より容易に推測できていたことだとです。
再度お話を経口摂取に戻しますが、このビタミンAはビタミン群の中で、通常の経口摂取において唯一過剰摂取が懸念されるビタミンです。たとえば、毎日多量の豚レバー等を食すると、副作用が生じます。
その副作用とは、吐き気や頭痛や下痢、めまいや疲労感に始まります。そして慢性化すれば口内炎や腹痛や貧血、そして生理不順や肌荒れや脱毛などの症状が現れることが知られています。まさにビタミンAは、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という諺がぴったり当てはまるビタミンというわけです。
とくに健康食品やサプリメントとしてのビタミンAの摂取は、危険を伴います。過去に死亡事故も発生しています。そのため、ビタミンAのみのサプリメントは日本のみならず、海外でもまず見かけません。しかしマルチビタミンとしては販売されていますので、マルチビタミンの多量摂取は禁物です。
βカロテンなどのプロビタミンAに関しては、過剰摂取による副作用は、ほぼないと考えられています。ほぼないというのは、危険である可能性も残されているからです。要は、ほどほどにということです。
このように扱いが最も難しいビタミンAですが、お肌に直接供給する場合の許容摂取量というものは、まだまだ充分に算定されていないようです。そのためか、日本における薬用化粧品(医薬部外品)に配合されるビタミンAは効力の弱いものに限られ、また配合量も厳しく制限されているようです。
欧米人の皮膚に比べて、日本人のお肌はビタミンAに弱いといった情報もあるためか、一種の安全策とも考えられます。そのためか、シワ取り効果も低いといった、情報もあるようです。
今回はビタミンAの概要を記述したうえで、レチノールクリームへと言及してまいりました。次回の記事では、本題に入ってまいりたいと思います。
《公式サイト内の化粧品関連記事集》
《他の関連サイト等》
● サブ公式サイト
● はてなブログ
| 固定リンク
「美容・コスメ」カテゴリの記事
- お風呂好きや温泉好き/温泉旅行好きなお父様への父の日のプレゼントに! 上級タラソテラピー入浴料/バスソルト コートダルモールジャポネ(2024.06.10)
- ステロイド剤よりもグリチルリチン酸二ジカリウム(ジカリウム/2K)のほうがステロイド様作用が強いことも! アトピー肌はご注意(2019.12.21)
- ストッキング 伝線防止/予防&節約用化粧水?(2019.12.13)
- フェノキシエタノール配合化粧水でうつ病が悪化? 印刷業との関係(2019.12.03)
- グリチルリチン酸ジカリウム(2K)配合コスメの常用でお肌がくすんで薄くなる副作用 ピーリングで肌荒れや炎症を起こす危険性も!(2019.12.02)
コメント