届かないアベノマスク 東京都知事の要請がマスク不足の原因?
(「新しい生活様式」に関する前回の記事よりの続き)
2020年4月3日に発表された全世帯2枚ずつの布マスク配布に関して、不明瞭な点があることやまだ届かないことが重なり、愚策と酷評されています。読者様もご存知のように、いわゆる「アベノマスク」という、やや冷ややかなトーンのある言葉です。
私は私はどちらかといえば現政権の支持者ではありませんが、そのようには思いません。むしろ「アベノマスク」ではなく、「コイケノマスク」なのではと思っています。
かねてより厚生労働省と首相官邸のホームページでは「咳エチケット」と題し、風邪の症状がある方にはマスクの着用を、該当しない方にはマスクの購入を控えるように国民に呼びかけていました。健常者までがマスクを購入すると品薄となり、その結果本当に必要な方がマスクを購入できなくなり、感染拡大につながる危険性があったからです。
首相官邸のホームページでは、日本マスク工業会・厚生労働省・経済産業省・消費者庁の連名で、下記のような記述があります。
「現在、予防用にマスクを買われている方が多いですが、感染症の拡大の効果的な予防には、 風邪や感染症の疑いがある人たちに 使ってもらうことが何より重要です。」
この根拠は、下記のこれは厚生労働省で出された結論によるものです。
「不織布製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程 度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用す ることで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。」
この肝心要の新型コロナ対策をないがしろにしたのが、東京都知事です。1月24の東京都の対策会議で、都民に対して外出時のマスク着用を要請するという、とんでもないことをしております。その頃中国ではマスク不足のため、日本に供給する余裕などあり得ないことです。たちまち日本は、マスク不足に陥ってしまいます。そんな簡単なことでさえ、都知事は想像できなかったというわけです。
テレビ等マスコミも都知事に呼応して、ニュース内でマスクをしていない人を見つけては不謹慎狩りするなど、自らの正義を国民に押し付けるありさまでした。いくら自治権があるといっても、厚生労働省が出している方針を否定することは、明らかにやりすぎでしょう。その頃もっとも大事なことは、風邪の症状がある方にマスクを着用させるということでした。
もしそれでも持論を推し通したいのであれば、国民全員分のマスクを自らの責任において確保すべきでしょう。もちろんこの都知事の発言にマスク品薄の全責任があるとはいいませんが、政府がイチバン恐れていたマスク不足に陥ってしまいました。つまり必要とする新型コロナ患者さんがマスクを入手できずに、感染を大きくさせた可能性があるわけです。
結局最後は政府が、マスク不足に怯える国民の気持ちを(パニック)を鎮めるために、マスク2枚の無償提供を実行する羽目となってしまいました。十分な吟味もなく慌ててやったためか、いろいろと問題のあるようです。しかし冷静な目でみてみると、政府が東京都にかき乱された挙句に貧乏くじを引かされたように見えてしまうのは、私だけでしょうか…。以上のことから私には「アベノマスク」ではなく、東京都知事の行いのアウトプットである、「小池マスク」に思えてなりません。
厚生労働省や首相官邸は爆発的感染を防ぐために国民に、感染予防としてのマスク購入を思いとどまってほしいと国民に要請していたわけです。都知事と言えどもやはり、その要請には従うべきであったでしょう。
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