高齢者のナトリウム再吸収機能の低下が熱中症の原因となり得る! 減塩もほどほど?
高血圧症等で通院されている方は、この記事はご参考程度に留めていただき、主治医の先生のご指導に従って下さい。念のために最初に、お断りをさせて頂きます。
( 熱中症対策に関する前回の記事 よりの続き)
塩分を含む栄養摂取を考察する際に基本となるのは、やはり厚生労働省によって策定された「食事摂取基準」です。これは5年毎に見直され、世界中の新たな研究データなどが反映されて、アップデートされます。まことにありがたい、行政サービスです。前々回の記事では、2020年度版に記載されている内容を引用させて頂きましたが、今回の記事では20年前の「第六次改訂 食事摂取基準」の内容に、触れたいと思います。なお2000年以前は呼称が少々違っていて、「第六次」とは「2000年度版」とご理解下さい。
この「第六次改訂 食事摂取基準」のナトリウムの項では、下記のような記載があります。
高齢者は、腎臓におけるナトリウム再吸収能が低下しているため、厳しい減塩によりナトリウムと水の欠乏症を起こしやすいので、個別に対応すべきである。
味覚障害が起こっている場合は別として、発汗などにより塩化ナトリウムが失われると、塩辛さが恋しくなるものです。私自身は炎天下でもスポーツを楽しむため、半日だけで3~4リットルの汗をかきます。そんな時には食塩相当量が1%の、食塩添加のトマトジュースを、1リットル飲みます。10グラムもの食塩摂取となるわけですが、翌日はすっきり体力が戻っています。逆にそれぐらいの塩分摂取をしない場合は、翌日の月曜日から週半ばまで、疲労感(しんどさ)が残ります。
当初食塩1%は濃すぎるのではと思ったのですが、よくよく考えると理想的なのです。トマトジュース1リットルには、カリウムが3グラム程度含有されます。塩分相当量が1リットルで10グラムということは、ナトリウム換算で4グラムとなります。ナトカリ比(ナトリウム/カリウム)は2以下が理想とされていますので、充分その範囲内となります。もちろん私は高血圧症の予兆すらなく、いたって健康です。
ご参考までですが、この食塩1%配合のトマトジュースは、業務スーパーさんで見つけた商材です。トルコからの輸入品ですが、お味は私好みの濃厚なお味で美味です。食塩無添加も販売されています。お値段は税別で125円です。
但しこの塩分多目のトマトジュースを通常の時に飲むとたいへん塩辛く、とてもゴクゴク飲めたものではありません。要するに、時と場合によって食塩はそれなりに摂取すべきであり、日頃は控えておくべきでしょう。これが厚生労働省が国民に呼びかけている、「弾力的に運用すべき」という文言ではないでしょうか。
トマトジュースに関するお話を続けますが、近くのスーパーマーケットの定番の棚には、食塩を添加したトマトジュースがすべて外されてしまっているのです。棚には3つのブランドのペットボトル入りのトマトジュースが陳列されていますが、すべて食塩無添加なのです。減塩はもちろん大切なことでしょうが、少々やりすぎのような気もします。もちろん消費者自身で、購入後に食塩を添加するという方法はありますが・・・。
これ以外にも最近の「減塩ブーム」には、暴論とも思えるようなものも見かけます。その最たるものは「和食は塩分が多いので、洋食を取り入れるべき。」といった主張です。長寿国日本を支えてきた和食を控えて、西洋人の真似をしろというわけで、なかなか理解に苦しむところです。これらを含めて近日中に、減塩についてのまとめ記事を、書きたいと思います。
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