化粧品成分 グリチルリチン酸ジカリウム(2K)のメリットとデメリット 抗炎症作用目的での敏感肌用化粧水等に配合でホントに安全?
弊社公式サイト内の「グリチルリチン酸ジカリウム 平成のまとめ」の連続記事を追記・補完のうえ、再編成いたしました。下記は第2章の内容の一部です。
(前回の記事よりの続き)
これからは、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K/GKⅡ/グリチルリチン酸二カリウム)のメリットとデメリットについて、書いてまいりたいと思います。まずはメリットなのですが、化粧品メーカーからみた場合には、2種類メリット、即ち配合目的があるようです。まずは表向きのメリット(配合目的)について述べたいと思います。
化粧品製造会社が化粧水等コスメや薬用化粧水等医薬部外品にグリチルリチン酸ジカリウムを配合する主たる目的は、抗炎症効果・抗アレルギー効果を狙ってのものです。しかし化粧品はもとより薬用化粧品についても、皮膚への作用が緩やかであるべきとの法令的な制限により、「肌荒れ防止」といった効能にとどまっています。
この場合の「肌荒れ」とは、既にお肌が何らかの原因で生じていると捉えることもできます。しかし化粧品メーカーのグリチルリチン酸ジカリウムを配合する主目的は、その化粧品や薬用化粧品に含まれている他の化粧品成分の刺激によって引き起こされる、肌荒れの防止です。とくにボタニカル成分が豊富に配合されているコスメの場合は、配合されているボタニカル成分の数だけ、アレルギーのリスクは高まります。大半の植物成分には、アレルゲンが含まれているからです。
そういった場合にグリチルリチン酸ジカリウムがもつ血流抑制作用や免疫抑制作用で、肌荒れを抑え込もうということです。ですからグリチルリチン酸ジカリウムは、お肌が弱い敏感肌の方やアレルギー体質に方には、心強い味方といえるかもしれません。
この抗炎症効果や抗アレルギー効果は、消費者がそのスキンケア製品を使用した際に肌トラブルが生じないための、化粧品メーカー側の配慮とも言えます。しかしこれを裏返せば、化粧品を誰のお肌にも合うようにするために、グリチルリチン酸ジカリウムを配合するということであり、むしろ製造者側のメリットである性質が大きいといえるでしょう。
化粧品メーカー側としては、大量生産でコストを下げるために、万人受けする製品を製造する必要があります。単純な配合だけでは消費者の目には魅力的な製品とは映らないため、全成分中に話題の美肌成分などを散りばめて、できるだけゴージャスな雰囲気を作り上げる必要があります。しかし配合成分の種類が増えるれば増えるほど、刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎等の肌トラブルの危険性は高まります。「シンプルイズベスト」という言葉は化粧品の安全性にも当てはまるのですが、「シンプル」より「ゴージャス」をお求めの方が大勢のようです。
そこで便利な道具として配合されるのが、このグリチルリチン酸ジカリウムというわけです。グリチルリチン酸ジカリウムにはステロイド様作用があり、血管を収縮させて血行を抑える作用があります。化粧水等コスメに含有されている美肌成分でアレルギー性皮膚炎が生じた場合は、塗布した部位に血行不全を生じさせることにより、その炎症を抑え込んだり軽微にする効果があるわけです。(続きの記事へ)
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